セスナ172 の マグネトー交換 ② @CNO 190103




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 エンジン後部より取り出した、問題の生じたマグネトー(後方)と、交換のため
 用意された、新品ではなく「オーバーホール済み」のマグネトーであります。

 マグネトーの頭部からは、エンジンからの回転を受け止める「歯車」が外され、
 画面左上に置かれ、手前の「O/H品」のマグネトーへの移植を待つのでした。

 (*:「マグネトー」は、エンジンで駆動して、点火プラグに高電圧を供給する
  点火系の装置であります。)


 本来はこんな場所に取り付けられている :


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 コードが4本、後部に付いているのが、正常な方の「左」マグネトーであります。

 画面左にエンジンのシリンダーブロックと隔てる「隔壁」があり、これは左側の
 後方から見た所であります。白いのはエンジンオイルのフィルター。


 上に「歯車」を移植した、「O/H 済」マグネトー :


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 ここまでは、そんなに大変という作業でもなかったのでした。
 これを「固定」するのが一苦労。


 中央の回転軸に歯車を固定するために、六角「溝入り」ナット :


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 このナットは、ただ締め付けるだけじゃあなくて、「割ピン」で固定するモノ。

 この「溝」と、回転軸にある「穴」(画面中央・・・見えますか?)を締まった所で
 合わせ、そこに「割ピン」で固定するのでした。

 見ての通り、「割ピン」を入れるには、歯車の上の平らな面より奥まった、狭い
 場所にピンをうまく通さないとならないのでした。

 ①:サイズの合う割ピンを探す
 ②:合うと思ったらちょっと柔らかすぎて駄目
 ③:もっと硬い割ピンを探す
 ④:見つかったと思ったら今度は硬くて先に曲げておかないと中に入らない

                  (中略)


 それでも何とかなって(笑)、ようやく取り付けだぁ :


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 歯車は左に控え目に写っているのであります。

 マグネトー右上の(塗装していない)ネジは、アース線を接続するところ。


 次に、プラグに高電圧を送るキャップ(左)をマグネトー基部に装着 :


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 このキャップを嵌めると、プラグコードを通って高電圧がプラグに供給される
 という寸法であります。


 シリンダーブロック内にマグネトー(の歯車のある方)を入れる :


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 白のオイルフィルターの右上に、高電圧を受けとるコードが付いたキャップが
 接続を待っているのでした。


 ここまで来ると、2枚目の写真(左マグネトー)の様にエンジンに装着されたと
 相成るわけなのでした。


 点火のタイミングを調節するには :


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 これはプロペラの後方にある、エンジンブロックより前にある大きな歯車。
 そこに刻印されている数字は、点火タイミングを計るために刻印されたモノ。


 (独り言) :

 へぇ~、そのためのモノがこんな所に・・・(結構、原始的な気もする(笑))。


 ①:一人が左右のマグネトーを両手で触っておく
 ②:もう一人はプロペラを回す
 ③:マグネトー内で「カンッ!」と音と振動がして、手に伝わる
 ④:左右のマグネトーの「カンッ!」がほぼ同時になるように調節する
 ⑤:でも右マグネトーが少しだけ先に「カンッ!」となると良いらしい(笑)


 (独り言) :

 カナリ、“原始的”なエンジンだぁ(自爆)。

 でも、この方が特別な工具もいらず、メンテナンスも容易な気がする・・・。


 そこに、操縦練習生(スチューデントパイロット、とこの国では言う)と教官が
 作業終了を分かっていたかのようなタイミングで登場したのであります(笑)。


 早速、操縦訓練。


 ソレガシも、修理したばかりの飛行機にすぐ乗るのは・・・と、一瞬躊躇したの
 ですが、“スチューデント”は時間をかけてマグネトーチェックなど行うし、
 異常を感じたらすぐにアボートさせようと考え直して「便乗」することに(自爆)。


 エンジン始動~タキシング時の回転異常なし :


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 この後、RWY 脇のランナップエリアでエンジンチェックをするのですが、少し
 注意深く見ていたけど「ノープロブレム」状態だったので、そのままこの飛行機
 はタッチアンドゴー訓練へ出撃したのであります。


 (修理完了までのシーケンス) :

 ①:マグネトーがトラブルになった
 ②:その日のうちに、近所の部品屋のサイトで換えのマグネトーを注文し確保
 ③:O/H 済み品なので安く上がる(自爆)
 ④:翌日店に取りに行って、その脚でハンガーに来て取り付けて修理完了


 (感想) :

 この国は、軽飛行機関係の修理環境は恵まれている。

 特に、②~④は某国では望めない、とても羨ましい環境かと。


 ⑤:トラブルになったマグネトーは、下取りに出してさらに安上がりに(爆)




 おあとがよろしいようで。










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この記事へのコメント

2019年01月22日 19:08
心臓部を取り替えるのってエライ気合が入るでしょう
割りピン止めは欠かせないでしょうから合う割りピンを探し出すのは大変でしょうね
ま飛行機の部品はどれを取っても大事なものでどうでも良いモノはないでしょう。

お聞きしたい事があるんです
着陸に際してフラップを下げた時の機体の挙動はどうなりますか、ネット上では揚力モーメントが後に行くから翼に曲げが働いて機種下げになる・・なんてのが多いです
自分が設計して作った飛行機の殆どはフラップを下げると頭上げになりました、考えるに揚力モーメントの捻り以上に翼全体の揚力が勝っていたんだと思います。

フラップを装備していない翼でも高揚力の後縁の下部が凹んでが下がった翼型のヤツを水平高速で飛ばしたら物凄い頭下げになってエレベーターをフルアップにしても突っ込んで来ました、ポーラーカーブの示す通りでした。

ネット上でのフラップを下げればモーメントで機種下げ状態になるって言うのは単に主翼の捻りモーメントを考えての記述と思うのです、実際に操縦もしていない人達のね、そして実際に飛行機を作った事のない人達のです
機種や翼の形状・重心位置等での違いは有るでしょう、プロペラ機の場合 着陸時にフラップを下げた時の挙動はどうなんでしょうか。

2019年01月23日 00:11
>yokoyamaさん
 いらっしゃいませこんばんは~♪

>着陸時にフラップを下げた時の挙動は

そうですね、ソレガシは高翼のセスナと、低翼のパイパー
位しか分かりませんですが、

セスナ172:階段式三段レバーで電動フラップを操作
   フラップがモーターで動き始めると若干、頭が
   上がった感じと記憶しております。

パイパー:PA28-140(固定脚、固定ピッチプロペラ)
  自動車のサイドブレーキのようなフラップレバー
  で3段のノッチ付き手動フラップ
この機体は軽くカクン、カクンとフラップレバーを
操作すると頭もカクンと下がりました。

パイパーPA-28R-200(引き込み脚、可変ピッチプロペラ)
前述のPA28-140 より重い感じはしましたが、やはり
手動フラップを操作すると、頭は少し下がりました。

高翼/低翼の違いか、セスナがテーパー翼、パイパーが
矩形翼だった違いなのかは不明であります。

パイパーもテーパー翼になった機体にも乗ったことは
ありますが、あまり記憶にありません(ごめんなさい)。

テーパ-翼は、離着陸時の揚力が矩形翼よりあるなとは
体感で分かりますが、翼幅が広いので、巡航時は抵抗も
大きいのではと思います。(関係なかったかも)

操縦感覚などは書いてないような気もするのですが、
当ブログの最初の方では引き込み脚のPA-28R アロー で
防衛行動をしている項がありますので、お暇な際にご覧
頂ければと思います。

 どうぞよしなに。

 神戸空港に行きそびれた男(失笑)

2019年01月23日 23:20
返答ありがとうございました
やはり一概に頭下げになるとは限らないのですね
実機の場合挙動が極端に変化したんじゃ危なくて乗れないですね。
過去の記事も読ませていただきました
飛行機を操縦出来る人が羨ましいです
女性のF―15パイロットが誕生しましたね、物凄く羨ましいです。
2019年01月26日 00:54
>yokoyamaさん
 いらっしゃいませこんばんは~♪

お返事遅れまして失礼しました。

追記ですが、

セスナのテーパー翼は揚力が矩形翼より大きいので、
着陸時のような低速時、フラップを出すと、

・セスナのフラップはファウラーフラップで
・展張するとフラップが後退し翼弦長が伸びる
・プレーンフラップより揚力が増大

などにより頭が上がることがあったのかな?と
思いました次第であります。

 どうぞよしなに。

 マニアが高じて免許取得まで行ってしまったなぁ
 と思うけど思い立ったが吉日で来てしまった男(自爆)
東郷
2020年11月12日 12:02
初めまして。
航空機では無いですがマグネトーのタイミング調整は大変で毎回苦労します。
タイミング合わせは航空機エンジンは歯車マークに合わせるだけで簡単に合わせる様になっているのですか?
こちらは点火タイミング歯車を玉電球と分度器で角度を見て合わせてベストな場所を探してます独自に印を付けたりしてます。
又は便利なツールが有ればご教授いただければ幸いです。

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